柴野貞夫時事問題研究会 本文へジャンプ


(韓国ハンギョレ紙  10月3日付) 社説

 

 

韓半島・東北アジアの平和、新しい地平を拓く首脳会談

 

ノ・ムヒョン大統領は、昨日キム・ジョンイル北韓国防委員長と最初の会談を終えたあと、“明らかに、平和に対する確固たる意思を確認した。”と明らかにした。それと共に、改革、開放に対する北側の不信と拒否感を剥ぎ取って、“南側は信頼する事案に対して、北側は疑心を持つ部分が在った”といった。彼のこんな言及は、一部意見にも拘らず、核心の議題に対する真摯な論議になったことを見せてくれた。昨日、キム・委員長は当初、今日までに予定された会議日程を、一日伸ばそうと、提案することまでした。今回の会談に対する北韓の意思が感じられる。

 

非核化―平和体制の意思確認

 

韓半島の非核化は、昨日の会談の核心議題のなかの一つだった。南北は全ゆる核問題解決が韓半島、東北アジアの平和の前提条件であることを、よく知っているからだ。二人の首脳は、さらに核問題解決と韓半島・東北ア平和体制を作っていく過程が、同時に進行されなければなら無いと言う点での認識をともに了解した。すぐ、6者外務長官会談が開かれて、終われば、関連局の間の平和体制の論議が始まる。今回の首脳会談は、このような平和体制論議に始動をかけて、南北の平和意思を突き固めた点で大きな意味がある。

 

韓半島の平和が確固となれば、関連局の間の平和体制の論議とは別個に、南北が解消せねばならないことが少なくない。休戦ラインの付近には、地球村最大規模の軍事力が密集されており半世紀を超えて維持されてきた畸形的な停戦体制は、韓半島の繁栄に深刻な障害物となっている。今回の会談で、西海北方境界線(NLL)と非武装地帯(DMZ)などを“平和ベルト”としてまとめる方案が論議されたのも、こんな状況を克服するためだ。大規模部隊移動と軍事練習の通報・統制、軍の人士交流、また情報交換など軍事的信頼構築が、至急なことも同じ理由だ。大量殺傷武器と攻撃能力の除去など、段階的軍縮を成し遂げる為の常設共同機構の設置も、早いほど良い。

 

平和の為の努力は、南北経済協力の水準を大幅に高めてくれるはずだ。南北は2000年 首脳会談以後、ケソン(開城)工業団地とクムガンサン(金剛山)観光、キョゲ(京義)・トゲ(東海)線・鉄道など、3大協力事業を中心として相当な成果をあげた。しかしながら、南北が共に繁栄しようとすれば、この程度ではだめである。有無相通方式の協力を活性化するのを、はじめとして、南北の人的・物的資源が自由に結合するまですれば、相乗効果がうまれる。その様にしようとすれば、経済外的障害物を直ちに除去せねばならぬ。平和と繁栄が結合する場所が即ちこの支点だ。今回、会談で、これと関連した論議が幅広く成し遂げられたことは、勇気付けられる。

 

盧・大統領と金委員長が会談した昨日は、あいにく、北韓が昨年核実験を予告した日だった。その時以後、韓半島を取り囲んだ情勢は、一時最悪の状態に接近したが、急反転して、いまは、新しい韓半島・東北ア、平和秩序を論議する水準まできた。雨降って地固まると言うことばが、実感する状況だ。今回の会談は、こんな趨勢を加速化するのに大きく貢献するものだ。

 

その間の平和は、米国がおととい合意文承認の意思を明らかにした6者会談2段階会議の成果から現れた。合意文には、北韓が年内に主要核施設を不能化して、核プログラムを申告するという具体的約束を盛った。不能化過程には、米国側の現場の尽力が投入され信頼性を高めた。またプルトニュウムとウラニューム濃縮プログラムを含んだ核プログラム申告の内訳の正確性を国際社会が検証することになる。この前まで、考えるのが難しかった韓半島非核化の決定的進展が成し遂げられたわけだ。

 

米国が北韓をみる目も、めだって変化した。6者会談首席代表であるクリストファ・ヒル国務部長官補は、“米国は、北韓の核武器に対する敵対政策を取っているだけで、住民に対する敵対政策を堅持しているのではない。”と言った。合意が履行されるとすぐ、対北テロ支援国指定解除、また、敵性国交易法の適用排除の措置が、取られることを確認したのだ。 その次の段階は、対北関係の正常化だ。

 

ノ・大統領は、今回の会談で信頼と平和を増進させる為のいろんな提案をした反面、北側はこの前の会談と一緒で、統一と“わが民族同士”を強調した。南側は南北関係の実質的進展を目論んだのに比べ、北側は、原則に比重を置いたのだ。北側の積極的な、改革・開放の意思が期待される正念場だ。

 

 

南北の主導的役割が切実だ

 

 

南北が共に肝に銘じなければならないのは、自主的態度だ。韓半島周辺には世界の4大強国が布陣しており、今後、東北アジア情勢は、どの国の独走も許容しないのだ。南・北のすべての過去のように、一つか二つの強大国に便乗する国家戦略では、未来を保障されない。韓半島の運命は、自ら開拓するほか無く、今回の首脳会談は、その出発点とならねば成らない。南北は、韓半島・東北アジア平和の、新しい地平で主導的役割をするのは当然である。 (訳 柴野貞夫)